じゃんがら作り

じゃんがらと言ったらじゃんがらラーメンのじゃんがらである。一般的にはアキバの九州じゃんがらラーメン本店が有名だが、私が学生時代を過ごした水戸にもじゃんがらラーメンの店がある(全くの別系列店)。私にとってのじゃんがらラーメンはこの水戸のじゃんがらである。1年か2年の頃、住んでいたアパートの近くに新店としてできたのだ(現在は市内に数店舗あるはず)。それまでとんこつラーメンの店など周りにない環境で育って物珍しかったこともあるが、本場九州/博多のものとはちょっと違った感じで馴染みやすかったし(アキバのとも全然違う)、いろいろ具を乗せたりすると学生にはちょっと高かったけど麺もスープも具もみんな好きだったし、夜遅く(明け方まで?)営業してたことなどもあってよく通ったものである。で、そこの名物が(料理としての)じゃんがら。豚の角煮にキムチを加えて更に煮込んだような物で、ラーメンに入れてもご飯に乗せても旨い。というかラーメンにこのじゃんがらを入れないと辛味が付かずスープがのっぺりとした味になってしまうので、大概じゃんがら入りで食べていた。また酒のつまみとしてじゃんがらだけテイクアウトしたり。私にとっては学生時代の懐かしい味なのである。
さて、休みの日にまた豚の角煮でも作ろうかなと思った時に、キムチと一緒に煮てやったらじゃんがらっぽくなるんじゃなかろうかと、ふと頭を過ぎった。実はじゃんがらラーメンに通っていた当時、厨房内にじゃんがらのレシピらしきメモが貼ってあったのを、私は見ているである。もうほとんど内容は覚えていないが、豚肉とキムチは見た目と味で分かるとして、牡蠣油と書いてあったのは、意外なもん使ってんだなーということで覚えているのだ。つまりポイントはオイスターソース。ネットで検索しても当然レシピなど出て来ないので、違うもん出来ても食えりゃいいやということで、豚バラとキムチとオイスターソースを買ってきていざ試作。
まずは煮豚を作る要領で、青ネギなどと一緒に豚バラを下茹で(約30分)。茹で汁を捨て、ある程度細かく切って軽く炒めてから、水とキムチを加え、オイスターソースをドボドボと入れる。多少煮込んだ後、砂糖、みりん、醤油で味を整える。キムチの辛さはあるが多少甘めの味付け。味見・・・味としては旨いけど、これじゃんがらの味かぁ? 肉もまだ固いし。適当に作ったからこんなもんか。ここまでで約1時間半。火を止めてしばらく放置。1時間くらい置いて、夕飯直前に再度一煮立ちさせて食べてみる。「あ!」 じゃんがらっぽい味になってる! 肉はもうちょっと下茹でを長くした方が旨かったろうが、キムチのしなった感じとオイスターソースのコク。これは正にあのじゃんがらの味。旨いじゃないか。脂が多いのであまり量は食えないが(ちょっと冷めるとすごい固まり方)。で、半分くらい残った物を次の日また温め直して食べてみたら、「おお!!」 肉も柔らかくなって、これは相当近いぞ。なるほど、キムチとオイスターソースさえあればじゃんがらっぽくなるのかもしれない。今度は牛すじでもやってみるか。