『井上鑑/CRITERIA』

彼に関して完全後追いの私としては、ちゃんとした(?)バンドサウンドでのソロをリアルタイムで買うのは初めて。全曲本人の作詞作曲vo入り。細部に至るまで完璧に統制され、(基本的には)お馴染みのメンバーによる緻密な演奏。また、かつては箏を導入していた代わりに(?)吉田兄弟津軽三味線をゲストに迎える(2曲)ことで、この方独特な和洋折衷ハイブリッド感も未だ健在。初期の作風に回帰、というか本当に自分の演りたい音楽を素直に作るとこうなったというだけの話なんでしょう。それなりにお金も時間もかけただろうし、それでいてメジャーからちゃんとした形でリリースされたこの事実、ご本人もそうでしょうが何より長年のファンの方々の喜びはいかばかりかと思います。
やっぱプログレファンとしてはM-6「X=歩幅」の凄まじい変拍子に心躍されるわけで。この曲だけ楽譜が付いてるというのは、ちょっとやそっと聴いただけじゃ到底解読できないこのリズムのネタをリスナーに教えてあげようというサービス精神の表れではないかと思うのだが(笑)。イントロの5/8+7/16はまだ良い方で、途中には1小節ごとに5/8→6/8+7/16→7/8→4/4→9/8→2/4→5/8+7/16と拍子が変化するパートも。って分かるかこんなもん。