「とうどうたかとら」ってご存知?

まあいろんなお客さんがいるって話。
夕方、20代後半くらいの男性がお問い合わせコーナーに来た。
「とうどうたかとらの本、無いですか?」
「とうどうたかとら(?)・・・じゃお調べしますね」
何か聞いたことある名前のような気がしたが咄嗟には思い浮かばず、漢字が分からなかったのでパソコンで著者名をひらがな入力して検索・・・出て来ない。
「すみません、どういう漢字書くかお分かりになりますか?」
「分かりません(即答)」
・・・左様ですか。えっと、藤堂と東堂どっちかな。と思ってたら、モニターを覗き込んで著者名検索しようとしてるのを見て、
「あの、本書いた人じゃないですよ。とうどうたかとらっていう人の事が書かれてる本が欲しいの」
じゃ最初からそう言ってくれ、と思いつつ(この辺でちょっと「スイッチ入った」かも・笑)、
「あ、そうですか、失礼しました」
と、ここでパッと思い出した。あー、藤堂高虎のことか!
「お客様、藤堂高虎って戦国武将の藤堂高虎ですよね?」
「分かんない(即答)」
・・・知らんのかいな。それで本欲しいってどゆこと? ともかく藤堂高虎で再検索。10何冊出てくるも半分以上は入手不可。プリントアウトしたリストを見せて、
「どちらの本がよろしいでしょうか?」
「在庫あるかどうか全部調べて」
・・・全部?・・・うちのシステムはタイトル検索と在庫管理システムが繋がっておらず、本のISBNコードを1品1品調べてからその都度在庫を調べなきゃいけない。
「・・・少々お時間頂きますがよろしいですか?」
「いいよ」
何故か腹立たしいのはうちのシステムの不備のためか他の理由か。入手可能な本を1品ずつ調べる。在庫なし。他のお客さんも混んできた。文庫が2冊ほどあり、これは直接棚を見た方が早いと思い売り場へ。1冊だけ在庫あり。
「1冊だけ在庫ございました」
「じゃそれでいい」
と大して確認もしないまま買って行かれました。

しかし藤堂高虎って・・・どこで誰に薦められたんだか(知らない人はこちらのページなど参考に)。処世術とかかな。私としては司馬遼太郎の小説を読んでて、豊臣方を裏切って家康に内通した人というイメージが大きいので、このお客さんがどういう理由で本を買いに来たかかなり興味あるところ。あと自分で言うのも何だけど、「とうどうたかとら」って口頭で言われて分かる人ってそんなにいないと思うぞ。大人なんだからさ、「藤堂高虎という戦国時代の武将について書かれた本を探してるんですが」とかいう言い方できんのか。
本もCDもそうだけど、自分の欲しい物がどういう物かよく分からないままお店に来る人はかなり多いので、店員は日々アンテナを張り巡らしておかなければならない。このところ多いのは、「あのー、最近出た、ほれ、昔の歌いっぱい入ったやつ」(年配の方が多いので各自方言に脳内変換して下さい)という問い合わせ。これだけでデアゴスティーニゴールデン・ポップスのことだと分かるようでなくてはならない。CDが付いてるからということでハナからCDコーナーに来る人も多し。雑誌なのでCDコーナーには置いてません。あしからず。