(ネタバレご容赦)『創聖のアクエリオン オリジナル・サウンドトラック』

先行シングルも買ってなかったんで菅野さん仕事としては去年の5月の攻殻サントラ2以来の購入。一応前日購入なんでネタバレ申し訳ないですが、むしろ参考にしてくれる人もいるかと思って。
作編曲は全て菅野よう子/保刈久明共同名義。AKINO多田葵の計4曲は岩里祐穂作詞。珍しくGabriela Robinの作詞クレジットが6曲もあり、EDとワルシャワ・コーラス等(ソロ歌唱含む)、自身voのM-18。初参加となる謎のヴォーカリストMichelle(男性です)も自身vo曲で作詞。ミュージシャンでは今堀恒雄(g)、渡辺等(b)、佐野康夫(ds)、浦田恵司/坂元俊介(syn)、三沢またろう(per)、篠崎ストリングスあたりはいつものメンツ。保刈氏はg/syn。ベースは等さんの他に2人いて、Kenji Satoって元マルコシアス・バンプの佐藤研二だよねぇ。Masato Suzukiはlittle Creatures鈴木正人か。あと楽器参加は笛の旭孝のみ。オケはワルシャワ・フィル。しかしこのインナー相変わらず好き勝手やってるというか(^^;、遊んでますなー。「サントラCDはオレの領分だもんね」というところだろうか。かなり怪しいクレジットもあるし。
M-1は例のOP曲。出だしが真綾とそっくりで面食らった人も多いだろうが、キンキンした、いや高く良く伸びる声は真綾にはない要素。いかにもアクション物の主題歌という感じでテンション高く盛り上がるサビはこの声あってのもの。ウィスパー系のコーラス(やっぱ真綾に似てる)との絡みが菅野さんらしい。Bメロのリズムアレンジが野暮ったくてそれだけが残念。ところでこの曲、今回何故か「お兄さまと」という副題(?)が付いている。作品が作品なだけに何かヤバそうな気配を感じたのは私だけではあるまい(笑)。クレジットを見たらAkashiなる人物がコーラスで参加しており、「コイツがお兄さまか!」と思ったら・・・あぁーなるほどそういうことか。AKINOの実兄、bless4のAkashi君なのでありました。やられたぜ。男くさい声じゃないんで最初サラッと聴いたら気付かなかったけど、大サビだけで地味にコーラスやってるのね。でも効果的。いい声です。となるとシングルバージョンにはお兄さまの声入ってないってことですか? 情報求む。AKINO曲ではシングルc/wのM-13は大したことないけどM-16は秀逸。AKINOの声質に合わせてこの切ないメロディを強引に盛り上げてる気がするが(笑)、それが良いのかも。多田葵のM-9はちょっと音響派っぽいアプローチ。いいヴォーカリストになってきましたな。ED曲の牧野由依ってツバサのサクラの中の人なのか。観てないんでよく分からん。Gabriela Robinのカタカナ歌詞というところがいろんな意味でスゴイが(笑)、声優さんらしい甘々な声質なわりにはちゃんと聴ける。今後菅野さんお抱えのロリ声ヴォーカリストの一人になりえるのか。ラストのM-18は短いながらGabriela Robin節炸裂のエセ民族音楽曲。最後の最後までお茶目です。
さてMichelleなる男性voのM-8もなかなかポイントでありまして。今回作編曲は全て菅野よう子/保刈久明共同名義になってるので、どの曲がどっちの曲か分からない。・・・と思いきや、M-4、6、8、10、12の5曲で保刈氏にrecorded byのクレジット。ということで少なくともこの5曲には保刈氏が関与してるはず。実際これらの曲を聴いてみるとバリバリ打ち込みメインで、しかもちょっとトランス入った4つ打ちが多く、曲調や音使いが菅野さんっぽくないんでクレジット見なくても多分保刈氏だろうとは容易に予想はできる。かと言って完全に保刈氏の曲かと言えばそうでもなくて。M-8なんかはメロディはまず菅野さんなんだけどアレンジはそれっぽくないんで、とすると菅野作曲/保刈アレンジなんじゃないかと予想できる仕上がりなのね。ちなみにフランス語のvoはクセがなくサラッとしてていい感じです。M-4も派手にシンセが唸るインダストリアル系で保刈曲なんだろうな…なんて思いながら聴いてると(まあ保刈曲だとしても今までの繊細なイメージからしたら意外なんだけど)、途中で明らかにGabriela Robinのコーラスが被さってきたりして、この辺はホントに共作した結果じゃないかと。もしかしたら完全分業曲って意外と少なかったりして。今作の一番のポイントじゃないかと思うのは正にこの点。今回は菅野さんが他の仕事で忙しいから保刈氏に手伝ってもらったんじゃないかぐらいのことを勝手に想像してたところ、むしろ積極的な召集だったのかも。ある意味でKARAK再びとでも言いましょうか(小峰さんはもうZABADAKの人だし)。本人達が明かしてくれない限り真相は不明ながら、いろいろ予想(妄想)しながら聴くのは楽しそう。
同様にM-2、3、5、11、14、15はあちらさんのエンジニアのクレジットがあり、ま聴けばすぐ分かるけどオケ曲ということで。「♪アクエリオ〜ン」とかソロなりコーラスなりで歌ってるしほとんどエスカ状態。
そういえばベースの3人。M-13とM-16は随所に等さんっぽいラインが出て来るのと音色からおそらくそうだろうと思うんだが、M-1はちょっと違うような。でもあとの2人のベースはあまり聴き慣れてないからどこで弾いてるか分かりません。まあお仕事だろうからそんな自己主張はしてないだろうけどさ。