『岸倫仔/∞LINN-TETRA』

ようやくワールドディスクより到着。3/31にバンドメンバーを挙げたが、このCDではds(松本幸弘)のみ固定でg、b、keyは曲により入れ替わり状態(g:尾嵜啓一/SUNAO、b:三枝俊治/藤田哲也、key:安部潤/河野啓三/今野勝晴)。河野氏T-SQUAREのサポートから正式メンバーになったのかな。光田健一不在時のKENSOのサポートもやったことあったはず。
倫仔さんのバイオリンはテクニック/フレージング/音色全てこれ以上ないというくらい素晴らしく、他メンバーも変拍子や壮絶なキメを難なくこなしテクニカルで安定した演奏を聴かせており爽快なのだが、音としては良くも悪くもプログレフュージョン…個人的には快活過ぎるかなぁと(^^;。プログレ好きとしてはもちっとダークさが欲しい。メロディがカッチリしてる曲が多く、それが余計にフュージョンっぽさを助長している感もある。姉御格の(笑)金子飛鳥の初期ソロやRHMなどに比べるとちょっと曲のバリエーションに幅が少ないようで物足りなく思うのはその点。また出来ればバンドで演るならメンバーを完全に固定してバンドとしての密度を濃くするか、そうでなければ曲によって編成を思い切って変えた構成の方が面白味が出ると思う。
全曲インストと思いきや、ラストのM-10「未来旅行」の前半でヴォーカルをとっており、その微妙に細い声質が萌え対応でなかなか良いのだなぁ(笑)。この曲は後半の6/8拍子に乗ってのバイオリン弾き倒しパートもメロディラインが秀逸、前後半緩急の差が激しい曲調もあってアルバムの中でも白眉の出来。前作1stではインストとvo曲がハッキリ分かれた構成に違和感があったのでインストに統一してくればいいのになーと思ったもんだが、こうしてみるともっとvo曲が聴きたくなる。せめて楽器的にヴォイス/スキャットを曲に入れてみたらかなり良さ気なんではないだろうか。ライヴではもっと歌ってくれてるのかな。