『MACHINE & THE SYNERGETIC NUTS/リープ・セカンド・ニュートラル』

2年ぶりになる待望の2ndはかつてのHappy Family同様CUNEIFORMからのリリース。私はカンタベリー系はあまり聴き込んでないのでソフト・マシーン辺りの影響についてはよく分からんが、'70年代ジャズロックの熱さとクラブ系を通過した現代的なクールさを併せ持つサウンドプログレファン以外にも幅広くアピールするに違いない。まろやかな音色のRhodesなどはかつてのクロスオーバー/初期フュージョンなそれだが、パワーとテクを兼ね備えるキレの良いロックなドラムとの絡みがまーカッコいいこと。特にこのちょっと粘っこい感じのスネアの音色というか音の切り方というか、音の処理にエンジニアも兼ねる須藤氏のこだわりがあるんじゃなかろうか。
国内ディストリビュートをしているArcangeloのうたい文句でメロトロンが強調されてるのはやっぱり誇張。使われてるのはM-9だけだし(もしかしたらM-8のラストにもちょこっと)。ユニオン特典のCD-R(2曲入り)にはM-9のメロトロン・ミックスが入ってて確かにこちらはメロトロンを大フィーチャーしてるが、いわゆる白玉ストリングスの洪水ではなくリードに使ってるので、面白い音がするビンテージ楽器で遊んでみましたという感じ。これがバンドの本質と思われてはメンバーには却って迷惑じゃないかな。もう1曲はM-4の別ミックスで、ドラムをオミットした部分がベースだけ聴いてると拍の取り違いを誘い、印象が違って面白い。
まーとにかく、早くも今年の上位入りは間違いなしという必聴盤なのです。