『Francois BREANT/Voyeur Extra-Lucide』

asin:B0000A126RHMVより到着。フレンチプログレといえばお馴染みMUSEAレーベルからの輸入盤に帯/解説を付けたマーキーからの国内盤仕様。サリフ・ケイタの名盤『SORO』をプロデュースしたことで知られる人だが、ディディエ・ロックウッド(vln)やクラウス・ブラスキス/ステラ・ヴァンデ(cho)などがゲスト参加したことからMAGMA関連作としても取り上げられる、'79年作の2ndソロ。
豪華なゲスト陣のネームバリューに負うことのない秀作との噂を聞いていたが、実際聴いてみてなるほどと思った。簡単に言えばシンセをフィーチャーし、フュージョン的聴きやすさも伴ったシンフォ系ジャズ・ロック。解説にあるように「視覚的音響」「想像上の映画サントラ」と形容されてるのも頷ける非常にイマジネイティヴな作風。シンフォ系にありがちなダサさがない。多分ヴォイシングが高度なんだと思う。その音楽センスの良さと華麗なキーボードプレイはエディ・ジョブソンも引き合いに出されるが、これはジョブソンが愛用しUKの曲でフィーチャーされたアナログポリシンセの名機YAMAHA CS-80を使用しているからか。インナーにはブレアンの使用機材が書いてあり、他にはARP ODYSSEY(ODEISSEYと記載)、PROPHET-5、OBERHEIM SEMなどシンセ好きにはたまらん名前が。シンセ・リードはジョブソンの場合Minimoogだったが、こちらは(おそらく)ARP ODYSSEYってあたりも特徴の一つと言えるかも。機材は不明ながら結構リアルなストリングスも効果的に使われ、シンセプログラマーとしてもセンスも大したなのではないだろうか。約半数の4曲に参加のディディエ・ロックウッドの好プレイも光る。ブラスキスやステラはラストのM-9のみの参加でちょっと残念。