『unbeltipo/Joujoushka』

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何でこの作品がリットーミュージック系音楽誌で取り上げられないのかなと思うんだが。少なくともサンレコでは今堀さんにインタビューすべき。だってこんな不思議な音楽、どうやって制作/レコーディングしてるかめちゃめちゃ興味深いじゃないっすか?
ティポグラフィカをロック化してエレクトロニカとトラッドを振りかけて更にぐっちゃぐちゃにしたような感じなのかな。M-1マリンバ(の音色)とか特にティポっぽい。ここしばらくのサントラ仕事ではほとんど出て来なかった複雑怪奇なリズムの訛りが今堀さんの本気具合を感じさせる。アコギも含めてキレの良いギターを思う存分聴けるのも嬉しい。
去年リリースされた12inch『Joujoushka #1』に収録されたM-1、3、5、8の4曲は完全に今堀さん1人によるソロ演奏、今年の3月にレコーディングされた残りの4曲はナスノミツル(b)、佐野康夫(ds)が参加。TV版『GUNGRAVE』のサントラで意気投合したものと思われ、それがこのような形に結実したのはファンとしても喜ばしい。音質のせいもあるが、佐野さんの(勝手な)イメージを覆すかなりパワフルなドラムが特徴的。このドラムも後でいろいろ編集とかしてるように聴こえるし、何より今堀さんの打ち込みも全編に流れるため、ソロ曲とトリオ曲で思ったほどの違いがないのがすごい。聴覚上はソロ曲もバンドに聴こえるし。
しかしSTUDIO VOICEにも「未知の領域」とか書いてあったけど、今堀さんの打ち込みはってのは何だろう、生演奏のシミュレーションあるいは打ち込みならではの表現だとかそういうレベルを遥かに超越してしまってるような気がする。7月のライヴではサンプラーを使ってたとのことだが、このCDと同じことが3人だけでライヴ演奏出来るとはちょっと信じがたい。元々そんなことは考えてないかもしれないけど、それも含めてライヴは激しく観たいぞ。