『PEDRO AZNAR/PEDRO AZNAR』

パット・メセニー・グループの『レター・フロム・ホーム』は私が最も好きなアルバムのうちの1枚で、中でも「DREAM OF THE RETURN」という曲は超絶美メロをスペイン語で歌うペドロ・アスナールのヴォーカルがあまりにも感動的で何度聴いても涙腺刺激されまくりなのだが、実はペドロのソロは2ndの『Contemplacion』しか持ってなかったりするので、今回1stを入手してみた(英amazonからだと安かった)。2ndでもメセニー・グループの3人などちょこちょことゲスト参加してた以外はほとんど一人で演奏してたが、こっちはおそらくds以外は完全ソロ。マルチプレイヤーとして有名だが、パッと聴きはどの楽器も各々専任プレイヤーが演奏しているようにしか聴こえないくらい。特にオーバーハイムのパッドとMonimoogを多用するkeyプレイは印象的で、いきなりジャズロック/クロスオーバー系全開のM-1での見事な速弾きにはびっくり。この曲をはじめ、全体的に彼の達者なマルチプレイが十二分に堪能できる作品なのだが、イヴァン・リンスのカバーである(原曲のこと全く知りません)M-2は必殺の"天使の声"が胸を締め付ける素晴らしい仕上がりで、中間部のフレットレス・ベースソロからヴォコーダーソロへの流れも絶妙。この1曲を聴くだけでもこの作品を入手する価値あり。音に時代性を感じるのは否定できないものの、音楽の本質というか曲の内容が良ければそんなことはあまり気にならない。でもこれリマスターして欲しいなあ。