『WOLF'S RAIN』サントラ

"実は買ってなかった菅野サントラ"第1弾。オープニングのハードドライヴィンなSteve Conteヴォーカル曲以外はアコースティック感溢れる曲がメイン。というようなことは話に聞いてたのでほぼ予想通りの仕上がりではある。いつものあのハイテンションな作風とは違うが、これはこれで悪くない。ブラジル録音曲も非常にそれっぽくて、知らずに聴けば菅野よう子作曲と分からないのは意図的なものか演奏陣のさすがのブラジル魂というべきか。まるで女声のようなraj ramayyaのvoが鮮烈なM-9や「Steve、ギターも巧いやんけ」と驚かされるM-13も良いが、アルバムとしては核となり得る曲がないのがちょっと弱いところか。全体的には良いアルバムではあるのだが。
その点、Gabriela Robinのvoをバカボン鈴木(b)+岡部洋一(per)がサポートする「サイクル」やWOLF’S RAIN O.S.T.2短いながらもピアノの響きと坂本真綾のファルセットが美しい「Tell me what the rain knows」が入ったサントラ2の方が、どちらかと言えば好きかな。ちょっと話は逸れますが、特に「Tell me what the rain knows」は『23時の音楽』収録の「Kissing the christmas killer」と並んで坂本真綾のヴォーカリストとしてのポテンシャルの高さを感じさせる1曲であり、こういう曲を歌わせ、しかもその期待に応えているという点、ここにこそ作曲家/プロデューサー・菅野よう子とヴォーカリスト坂本真綾の良質な関係が現れていたと思う。この2曲を聴かずに坂本真綾を語るべからず、と言いたい。