ホッピー神山さんにインタビューしてみました

ということで、5/25発売予定のソロアルバムについて伺ったことを適宜編集して掲載します。

Kiev(以下K):構想はいつ頃から?
ホッピーさん(以下H):いつでも構想は前もってありません。それをスタートさせた時が、全てです。音楽にとって、事前に意味合いを考えたり、含ませたりするということは無意味だとも思われます。
K:DVD付きというのは例えば初回プレスのみにDVDが付くとかいうのではなく、CD+DVDの仕様でずっと発売される、いわゆる永続仕様ということでよろしいんでしょうか?
H:はい。もともとDVDを中心にした映像(映画)作品にするつもりでしたので、DVDはずっと付きます。DVDはCDの付録という名目でないと、CDで売ったり流通時の仕分けが難しくなるのでCD作品ということにしていますが、この作品はCDもDVDも同等の重要性がある作品です。
音と映像は同じ次元で重要です。ただ、普通の音楽ドキュメンタリーやライヴではなく、もっとユーモアに溢れるものにしたいという願望はいつもあります。よくある映画のBGMとしてではなく、自分ででっち上げる映画というもので、観る者、聴く者に、これはいったい何なのかという疑問を抱かせるのは、非常に面白い駆け引きだと思われます。
K:曲は書き下ろしですか?
H:はい。今回は全曲完全書き下ろしです。去年の12月の空いている日にスコアを書き、月の終わりにはメンバーに譜面を渡しました。その時メンバーに渡した曲のうち、時間的に足りず録音されなかった曲が3曲あります。
K:そのもったいない3曲はいかがなされるのですか?
H:曲はいつでもいくらでも作れますし、その時の流れで作ったものはその時のものなので、封印しておきます。曲も作って置いておくと、旬は落ちるものです。曲作りは日記みたいなもので、その時にしかその感じは出せないものです。これは譜面や音符のことでなく、その人の心や体の流れについてのことです。曲を作ったらすぐに録音して、形にしたいですね。それが一番自然ということです。
K:制作時/レコーディング時のエピソードを教えて下さい。
H:レコーディングはGOK SOUNDの近藤祥昭さんにやってもらいました。
今回は、譜面にも強くプログレ変拍子に強いミュージシャンに多く参加してもらいましたが、レコーディングの前に事前に特定の家に集まり、複数での自主強化練習が組まれたりしました。キーボードの手グセで作った曲はなく、頭に浮かんでいった音符や音面をそのままどんどん譜面に書いていったので、自分自身だから楽ということは全くなく、自分の曲ながらレコーディング前に3日間も練習する羽目になるとは思いも因りませんでした。私は家でレコーディングの為の練習をしたことは未だかつてありませんでしたし、楽器にもほぼ触りません。
ほとんどの曲が、Jazzなどでよくある、テーマ→展開(ソロ)→テーマという順当な構成を持たず、構成が練習番号SとかTまであるというものでした。物語がある楽曲展開ですね。時には無声映画のサントラ的でもあります。映像に対するサントラというニュアンス、実際のところは音楽に映像を貼っていく、ビジュトラというのが今回は正しいのですが。
K:あまりの曲の難しさに、これだけ強者のミュージシャン陣が悲鳴を上げたそうですが?(笑)
H:悲鳴を上げたことは事実ですが、曲は至ってPOPなので、複雑なプログレとかアヴァンギャルドには聴こえないのがミソです。私のポリシーですが、演ると複雑、しかし聴くとシンプルでポップ、これはいつも私の音楽には存在することです。J-POPのプロデュースをしたものでも、演奏が非常に難しいとよく言われます。その音楽が持つムードを再現することが難しいということかもしれません。
K:ヴォーカル陣を見ると福岡さんをはじめ、歌詞付きの歌をあまり歌わない芸風(?)の方々が多いような気がするんですが、ヴォーカル/歌詞についてはどんな感じなんでしょうか?
H:私は、歌やメロには必ずしも歌詞が乗っている必然性は感じません。我々が洋楽を聴く時のように、歌詞が分からなくても、声の持っている肌触りやパッションで、十分に聴き手に伝えることが出来ます。逆に歌詞がない時の方が、音楽としてすんなり入ってくることも事実ですし。今回のアルバム・タイトルにもあるように、意味を持たせない方が逆に意味が生まれることの方が多いみたいです。
歌詞は重要ですが、言いたいことがあれば具体的な言葉にすれば良いですし、言いたい言葉のメッセージが無ければ、言葉を無理に付ける必然性はありません。その人なりの一番表現しやすい方法を取ればいい訳です。
場合によっては歌詞を乗せる時もあります。今回は2曲においてDennisがScriptを読んでいるので、その対比としてメロディーに言葉を乗せない手法を取ったんです。その2曲はイメージだけを彼に伝え、彼に物語を作ってもらいました。彼はそれを朗読した訳です。まあ、その時々で一番パッションが強いもので表現したいところです。
リード・ヴォーカルというものも存在してません。皆でユニゾンで歌っていたり、ハナモゲラってたりしてます。世界共通言語として、コバイア語の曲も1曲あります。これも事前にコバイアで演りたいと思ってそれを使った訳でなく、歌入れの時に吉田達也氏も一緒にいたので、せっかくですし得意のコバイアを捻ってもらいました。その時のヤマカンでただそうしただけで、大きな意味はありません。
ところでコバイア語といえば、Schedule問題で流れましたが、MAGMAのStella Vanderが今回のレコーディングで是非歌で参加したいと言ってきてくれてました。ちょうど彼女のソロアルバムとMAGMAの新しいCDのリリースが重なって、LIVE等も立て込んでいたため、惜しくも彼女に参加してもらうことが出来ませんでした。近いうちにStellaとは、私のピアノと彼女の歌、というシンプルな録音をしようと計画しています。
K:レコ発ライヴのご予定は?
H:現時点でLIVEを演る予定はありません。オーケストラを含めての完璧なLIVEをしたいからです。今回のレコーディングの簡易Versionというのは考えておりません。実現はしたいですね。スポンサーが欲しいです。

サラリと重要な情報も明かして下さってますね。いいんでしょうかうちのblogで(^^;。
ホッピーさん、ありがとうございました!